『失感情症(アレキシサイミア)』という言葉を聞いた事がありますか?
読んで字の如く、感情を失う症状があるのは読み取れるかもしれませんが、イマイチしっくりこない一面も否めませんよね。
感情は、人などの動物が物事や対象に対して、抱く気持ちなので、「感情が無くなる事なんて・・・。」
などと感じる人もいるかもしれませんが、確かに、感情そのものが全く無くなってしまうわけではないのですが、あまり認知度が高くない現状があり、たくさんの人たちに知ってもらうためにも、今回は「心の崩壊?ストレスの認識がわからない失感情症の3つの症状と治療法」を紹介していきたいと思います。
失感情症の原因
そもそも、『失感情症(アレキシサイミア)』とは、海外の精神科医、ピーター・E・シフネオスらが1970年代に提唱した概念であり、自分の感情を意識できず、感情を言葉や態度によって表現しにくい状態を指しといます。
また、『失感情表現症』や『失感情言語化症』などと呼ばれる事もあるのです。
原因としてみれば、先天的な場合も後天的な要素のどちらもあり、後天的な要因は主に“ストレス”が原因となっている可能性があります。
日常生活を送っているだけで、人間はストレスを抱えがちではありますが、それを当たり前と考えて、頑張り続けてしまうと、失感情症を発症してしまうケースがあるのです。
失感情症の症状
原因がストレスと言われると、どのように対象をして、どのような行動を取れば良いのか難しい一面も否めませんが、いくつかの症状の傾向もあります。
ストレスなどのわからない内容では、ちぐはぐ感もありますが、以下の内容には注意をしてみてください。
感情の表現
自分が何を考えや感情が客観的に見れなくなり、それを言葉などで表現できなくなってしまう事もあるのです。
万が一、考えや感情を表現できたとしても、相手にどのように伝えたら良いかがわからなくなってしまい、コミュニケーションを取る行為に億劫になってしまう事もあります。
人と関わるのが面倒に感じる事は、状況次第では誰でもあるかもしれませんが、考えや感情を言語化できなくなったりはしない事だと思います。
物事への虚無感
上記の「感情の表現」に拍車が掛かると、物事への虚無感を抱いてしまう人も少なくはありません。
日常生活を送っていれば、ふとした瞬間に虚無感を覚えてしまう事も多々ありますよね?
ですが、多くは一時的なモノであり、時間の経過で解決できるとは思いますが、失感情症は感情の表現も伴って、無感情の状態に陥ってしまう事もあるのです。
心身症などの併発
失感情症は、ストレスが原因となっている事が多いため、ストレスが他の疾患を併発してしまう可能性もあります。
主に『うつ病』や『心身症』、『自律神経の乱れ』などの症状が起こる事も多々あるのです。
また、精神的な症状だけではなく、『胃潰瘍』や『狭心症』、『アトピー性皮膚炎』などの症状も起こる可能性があります。
治療方法
失感情症に陥っている人の中には、全く自分のストレスに自覚ができていない人も多く、原因が解明されていないために、治療がなかなか進みにくい現状もあります。
ですが、確立した方法はありませんが、治療方法としてみれば、『カウンセリング』や『精神療法』などが用いられる傾向があります。
精神的な病は、何がきっかけとなって、何が悪さをしているのか見えない部分もあるので、長い期間を要してしまう可能性もありますが、自分の病としっかりと向き合う事が大切です。
また、精神的な内容では、誰にも理解されない事もあり、心身共に閉ざしてしまう人もいますが、諦めずに専門機関へ受診してみてください。
まとめ
上記の「治療方法」にも記載しましたが、精神的な病を身近な人が「気付いてくれない。」、「理解されない。」なんて事は、当たり前のようにあり得る事です。
そうなれば、閉ざしてしまう気持ちもわかりますが、必ずどんな事柄に対しても、自分自身を理解してくれる人はいるはずです。
その場で足踏みをしていても、何も変わりませんが、前に進む事で、何かしらの変化があるので、諦めずに前だけを見詰め、一歩ずつ進んでみてください。
他にも、以下の内容も参考にしてみてください。
・気付いてる?その身体の不調はストレスが原因の可能性と診断チェック